【文】エディター那須子
とらうべの「乳がん検診ホットライン」に寄せられる
電話の件数が、あの日以来増えています。
女優の田中好子さんが亡くなったという訃報は突然でした。
キャンディーズのスーちゃんが? どうして?
メンバーとほぼ同い年の私にとって、
キャンディーズは等身大のアイドル。
一緒に青春時代を過ごした彼女たちと、
一緒に年を重ねていくものだと思っていたのに。
原因が「乳がん」と聞いたときは、
しばらく言葉を失いました。
スーちゃんが私と同じ病気。
しかも、同じ36歳の年に発症していた…。
20年前、「乳がん」を宣告されたときの
奈落の底に突き落とされたような感覚が、
昨日のことのように蘇ってきます。
抗がん剤、放射線、温存の手術。
一連の治療が終わったあと、
1年間、頭の中にいつもあった「再発」の文字。
5年が経過したころには「ひと安心」。
10年、15年が過ぎると「もう大丈夫」という気持ちになり、
それ以降、今日まで「忘却の彼方」へ。
ありがとうスーちゃん。
あなたのおかげで
自分が「がん患者」であることを思い出しました。
生存率が高いとはいえ、
やはり「乳がん」は命にかかわる病気。
20年という歳月を理由に油断していました。
再発を繰り返しながら、
女優として仕事を続けていたスーちゃんは、
人知れず「乳がん」と闘っていたのですね。
あえて公表しなかったのは、
「ふつうの人」として、
ずっと仕事を続けたかったからではないでしょうか。
「乳がん」のことは、
なるべく思い出さないようにしていましたが、
これからは、ときどき、心を静かにして、
20年前の気持ちを呼び起こすようにします。
「忘れる」ことと「忘れない」こと。
両方をバランスよく調合していくことが、
がん患者として生きていくうえで、
いちばんの治療薬だと思うからです。
(株)とらうべ Webサイト
http://www.traube.co.jp/

「忘れることと、忘れないこと」心に残りました。私も子宮頸がんの手術をしました。退院する際医師から「病気に対して鈍感になりなさい」と言われましたが、「忘れなさい」ではなかったな、、、そう気づかせていただきました。
私の周りにも、
「乳がん」「子宮頸がん」を体験した人がたくさんいます。
生きること、死ぬこと、家族や友達への感謝、健康の意味…。
「がん」は、いろいろなことを教えてくれますね。
「人生に意味のないことはない」と思うこの頃です。